バーナードの「組織の成立要件」

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バーナードの組織論

 

 

 

経営学(経営組織論、経営管理論)の古典であるチェスター・I・バーナード(Chester I. Barnard)の『経営者の役割』(The Functions of the Executive)が発表されたのは1938年といいますから、ちょうど70年前になります。その理論は、今も色褪せることなく、示唆に富んでいます。

その理論の特徴は、人間を「自由な意思を持って自由に行動する存在」と捉えたところでしょう。それまでの経営学では、人を生産に必要な機械や道具と同じように位置づけ、「命令に従って行動する存在」として考えていたことを考えると当時は極めてユニークな説だったと思います。

 

では、バーナードの組織論によれば、どのようなときに組織が成立といっているのでしょうか?人は其々に自由意思=目的を持って自由に行動するのですが、能力の限界があるため、その目標を一足跳びに到達することはできません。また、目標によっては、とても一人では達成できないものもあり、特に現代社会では、その傾向が強いといえます。

 

そこで組織の出番となるのですが、ここでも人は「自由な意思を持って自由に行動する存在」ですから、組織への参加も同様に、自由な意思決定とその実行と捉えていきます。

 

組織の成立要件

バーナードは、組織の成立要件として、次の三つを挙げています。

 

 

 

1.共通の目的

まず、組織に参加するかしないかの判断基準として、組織が有する「共通の目的」と自分の目的が合致するかどうかがカギとなります。目的が明確でないと参加・不参加の判断ができませんし、参加したとしても自分がどのようなかたちで組織に貢献できるのかも分かりません。組織には「旗印」が重要で、戦国時代では徳川家康の「厭離穢土欣求浄土」とか、現代企業では経営理念などがそれに当たります。

 

2.貢献意欲(協働意志)

組織のメンバーは、参加した組織に対して貢献する意欲を持っていなければなりません。その組織を通じて「共通の目的」や「自分の目的」を達成しようという意欲と言い換えてもいいでしょう。当然、メンバーの意欲のレベルは様々ですが、一般に「貢献≦誘因(組織が与えるもの)」が成り立てば、高い貢献意欲を引き出せることになり、ここにマネジメント要素がでてきます。

 

3.コミュニケーション

情報を正確に伝達し、メンバー間の意思疎通を図ることが重要となります。円滑なコミュニケーションこそが「共通の目的」の理解を深め、貢献意欲を高めます。メンバーの中には、自分独自の理解=誤解により参加した者もいるわけですから、その修正行動を促すことにもなるわけです。

 

皆さんの会社や参加されているサークルはいかがでしょうか?「組織成立の三つの要件」に照らして検証されることをお勧めします。

 

 

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