「マズローの欲求五段階説」には続きがあった!

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コミュニティ発展欲求

 

 

マズローの欲求五段階説は、大学入試センター試験にも出題されたことがあるそうですから、D.Mcgregorの「X理論とY理論」と並んでモチベーションに関する最も有名な学説といえるでしょう。人を動機づける要因は、(1)生理的欲求⇒(2)安全の欲求⇒(3)親和(社会的)欲求⇒(4)承認の欲求⇒(5)自己実現の欲求の段階を踏んで高まるとする説で、日本の諺の「衣食足りて礼節を知る」にも似て、何となく親しみやすく、皮膚感覚としてはしっくりくるものがあります。

 

欲求が高次になるほど実感がない?

 

D.Mcgregorの「X理論とY理論」が、1960年代アメリカの管理職の持論を広範なフィールドワークにより収集しまとめ上げられたのに対し、マズローの欲求五段階説は、やや裏付けに乏しいような気もします。

 

(1)生理的欲求⇒(2)安全の欲求⇒(3)親和(社会的)欲求くらいまでは、何とかどんな場面なのかイメージできると思いますし、誰でもそう違わないシーンを思い浮かべることができるでしょう。前述の「衣食足りて礼節を知る」パターンです。

親和(社会的)欲求⇒承認(自我・自尊心の)欲求⇒自己実現の欲求と上位の欲求になるほど、なかなか明確なイメージや共通のシーンが思い浮かばなくなると思います。

(1)→(2)→(3)→(4)→(5)に駆け上る課程を、プロ・スポーツのスター誕生のような場面のほかに、日常の生活で共通のイメージすることは困難ではないでしょうか?

 

外発的から内発的動機へエンジンが変わる?

 

(1)→(2)→(3)→(4)までの課程は、環境や他者との関わりの中の問題で「外発的」、(4)→(5)の課程は深く個人の価値観に根付く問題で「内発的」として、前段と後段では欲求の動機が変わる、と説明されてきました。

確かに内発的動機は個人の多様な価値観を反映し、一律に捉えることは難しいのかもしれませんが、個人の自己実現が最高の欲求とされるゴール設定が何ともしっくりこない感じがしておりました。

 

やはりあった6段目、コミュニティ発展欲求

 

マズローは、その晩年、6段階目の欲求を継ぎ足そうとしていたことが、明らかになってきました。その6段目は、コミュニティ発展欲求、自分の所属するコミュニティ(大は地球、国家から小は会社や地域社会まで)のより良く発展することを願うものです。

西洋思想ではビクトール・フランクの「人生の意味」、アルフレッド・アドラーの「共同体感覚」に通じる部分があるように思いますし、東洋思想では、「自利即利他」、「仏性」、「万物一体の仁」などと表されたものと変わりないのではないでしょうか。

近江商人の売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしの思想は、商人道として現代日本にも脈々と引き継がれていますし、最高の欲求が個人を超えることは皮膚感覚としても納得できます。

 

経営にも問われる存在意義

 

人事で検討されてきたのは、(3)→(4)→(5)のレベルでしたが、今後は会社が何のために存在しているのか、何を以てコミュニティの発展に貢献するのか、問われる時代になるのだろうと思います。社員や顧客に共感、共鳴される企業が社会全体の支持を得てストレスなく急速に発展していく、超伝導営業が実現する世界。

悪くないと思います。

 

 

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